自由に不妊手術等を受けることのできる地位確認等請求事件
不妊手術(生殖を不能にする手術)を受ける権利が憲法に違反して制限されているとして、国に対して手術を受けられる地位の確認や、法律を改廃しないことの違法確認、損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、自分の意思のみに基づいて不妊手術を受ける権利は憲法上の自己決定権などで保障されていると主張。母体保護法が命の危険や配偶者の同意などの厳しい要件を課し、罰則付きで原則禁止しているのは違法・違憲であるとして、地位や違法性の確認と損害賠償を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告である国は、不妊手術を受ける権利は憲法上保障されておらず、現在の法規制は母性の健康保護や手術を後悔することの防止などのために合理的なものであると主張。原告らの請求はいずれも退けられるべきであると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、憲法13条が避妊の自由などを保障しているとしつつも、不妊手術を受ける権利や自由が直接保障されているとまでは認められないと判断。現行の法規制は違憲とはいえず、立法不作為(法律を作らないこと)が違法とはいえないとした。ただし、一部の要件については合理性に乏しいとして制度の在り方の検討を望むと言いつつ、原告らの請求はすべて退けた。
この事件だけの事情
法律上の要件や国際的な勧告にも言及しつつ、不妊手術の法規制のあり方について裁判所が検討を促す言及をしている点。
結論
原告らの請求はすべて退けられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2026-03-17 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 令和6(行ウ)102 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索