地位確認等請求控訴事件
大学の非常勤講師として17年間働いてきた人が、雇用関係がないとして雇い止めされたのは無効だと訴えた事件です。労働契約に当たるかどうかが争われました。
訴えた側(原告)の事情
原告は、長年大学で非常勤講師として授業を担当してきた。労働契約法に基づく無期転換権(有期雇用から期間の定めのない雇用に変わる権利)を行使したところ、大学から雇い止め(契約更新の拒絶)をされたのは無効であると主張し、労働者としての地位確認と賃金の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の大学側は、非常勤講師との契約は「委嘱契約(仕事の依頼・委任)」であり、雇用契約(労働契約)ではないため、労働基準法や労働契約法は適用されないと主張した。また、授業の進め方や内容には専門職としての広い裁量があり、使用従属関係(指揮監督関係)はないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、大学の教員は専門性や裁量があるため一般的な労働者とは異なる側面があるものの、非常勤講師も常勤教員と業務内容に本質的な違いはなく、大学側の一定の指揮監督のもとで働いていたと認めた。その結果、原告は労働契約法上の「労働者」に当たり、無期転換後の雇い止めは客観的に合理的な理由を欠き無効であると判断した。
この事件だけの事情
大学の非常勤講師を労働者と認め、無期転換ルールの適用を肯定した裁判例である。
結論
原告の言い分が全面的に認められました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2026-01-15 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 令和7(ネ)1418 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索