地位確認等請求事件
歯科衛生士らが、歯科巡回診療事業における自身の契約は雇用契約であり無期労働契約への転換権が発生したと主張し、地位確認や賃金などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、長年歯科衛生士として事業に従事しており労働契約に基づく雇用関係にあると主張。無期労働契約(期間の定めのない契約)への転換権の申し込みをしたにもかかわらず、出動の配点を外されたのは事実上の不当解雇であるとして、地位の確認や未払い賃金、慰謝料を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告側は、原告らとの契約は雇用契約ではなく業務を委託する契約(委託契約)であり、指揮命令関係はなく無期転換や解雇の問題は生じないと主張。また、事業は県の単年度委託事業であり、時間管理や兼業制限の困難さからも雇用関係とすることは実態にそぐわないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、事業の実施要領や募集内容から、被告が原告らを雇用していると認識していたことは明らかであり、管理指導医の指示のもとで労務を提供していたことから労働者性を肯定した。一方で、判決確定後の将来の賃金請求は訴えの利益を欠き、不法行為に基づく慰謝料請求も認められないと判断した。
この事件だけの事情
労働基準監督署からの是正勧告を受けて被告が就業規則を作成していた経緯や、委嘱状の形式をとりつつも実態として雇用関係があったことが認定の重要な要素となった。
結論
原告らの請求の一部(地位確認と過去の賃金請求)が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2025-10-16 |
|---|---|
| 裁判所 | 千葉地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 令和5(ワ)2509 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索