地位確認等請求事件
大学の非常勤講師(アルバイトの講師)らが、長年の勤務を理由に無期雇用契約(期間の定めのない契約)への転換や賃金の引き下げ無効、雇い止め(契約更新の拒絶)の無効などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、大学との間の委嘱契約(業務を依頼する契約)は実質的に労働契約であると主張し、通算契約期間が5年を超えたとして無期雇用契約への転換を申し込みました。また、賃金引き下げは無効であり、その後の雇い止めも解雇権の濫用(権利の乱用)や期待権(更新されるだろうという期待)の侵害にあたるとして、地位の確認や未払い賃金等の支払いを求めました。
訴えられた側(被告)の事情
被告の大学側は、非常勤講師らとの間の委嘱契約は雇用契約ではなく、労働者性(労働基準法上の労働者にあたる性質)は認められないと主張しました。また、無期雇用契約への転換は成立しておらず、業務の性質上も契約更新についての合理的な期待は認められないため、雇い止めは有効であると反論しました。
裁判所の判断
裁判所は、原告ら講師の担当時間数が少なく、大学側から授業の具体的な指揮監督を受けていないことや、専門的な学問分野において広範な裁量(自分の判断で進める裁量)を有していることなどを理由に、労働者性を否定しました。したがって、無期雇用契約への転換や賃金引き下げの無効、雇い止め無効の主張はいずれも認められないと判断しました。
この事件だけの事情
大学の非常勤講師について、授業の裁量の大きさや勤務時間の管理状況などから労働者性を否定し、労働契約法に基づく無期雇用への転換を認めなかった点が特徴です。
結論
被告の大学側の言い分が全面的に認められ、原告らの請求はすべて退けられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2025-01-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 令和5(ワ)1187 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索