地位確認等請求控訴事件
工場の業務委託(外部の会社に仕事を任せる契約)の実態が違法な偽装請負であったとして、そこで働いていた労働者たちが、派遣先(仕事を発注した会社)に対して直接雇用の申し込みを承諾したと主張し、労働者としての地位確認と未払い賃金の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、外部の会社と請負契約を結んで工場で働いていたが、仕事の指示や管理は発注元の会社から直接受けており、実態は労働者派遣法が禁止する偽装請負であったと主張。法律に基づき発注元の会社に対して直接雇用の申し込みを承諾する意思表示をしたため、発注元との間で雇用契約が成立していると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
被告である発注元の会社は、外部の会社との間には適法な業務請負契約が成立しており、労働者に対する直接の指揮命令はしていなかったと反論。また、偽装請負を意図して行っていたわけではなく、仮に雇用契約が成立するとしても期間に定めがあるなどの理由から、原告らの請求は認められないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、工場における業務の指示や管理の実態を詳しく検討。発注元の会社の従業員が具体的な作業手順の指示を出していたことや、機械の修理費を負担していたことなどから、請負としての実態はなく「偽装請負」にあたると判断した。さらに、長年違法状態が続いていたことから発注元には偽装請負の目的(法律の規制を逃れる意図)があったと認め、原告らと発注元の会社との間に期間の定めのない労働契約が成立していると結論付けた。
この事件だけの事情
労働者派遣法40条の6第1項5号に基づく偽装請負を理由とした直接雇用みなし規定の適用において、発注者側の「免れる目的(主観的要件)」の有無の判断基準が詳細に示された事案である。
結論
労働者側の言い分が全面的に認められ、原告らと発注元企業との間の労働契約の成立と賃金の支払いが命じられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2021-11-04 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 令和2(ネ)973 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索