地位確認等請求事件
宗教法人で働く職員2名が、会社から言い渡された懲戒解雇(重い処分としてのクビ)や降格・減給処分は無効であると主張し、地位の確認と未払い賃金の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、会社の不動産売買に関する疑惑について問題点を指摘したところ、会社から不当な懲戒解雇や降格・減給処分を受けたと主張。会社側の背任行為などを内部告発(不正の通報)したものであり、処分は無効であるとして、地位の確認と給料の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告である会社は、原告らが事実無根の文書を作成して社内外にばらまき、会社の信用を落として業務に大きな混乱を招いたと反論。また、業務上の秘密を外部に漏らしたり、上司の命令を拒絶したりしたため、就業規則に基づく懲戒処分は有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、原告の一人が行った内部告発的な文書の配布は、会社による不動産売買の不審な点から真実であると信じる相当な理由があり、公益目的であったため違法性は阻却されると判断。解雇は客観的合理的な理由を欠き無効とした。もう一人の原告に対する降格・減給処分についても、一部の言動は不適切だが処分は重すぎるとし、同様に無効と判断した。
この事件だけの事情
全国の神社を包括する宗教法人における不動産売買の疑惑と、内部告発者に対する懲戒処分の有効性が争われた特殊な事案。
結論
原告側の請求が全面的に認められ、解雇や処分の無効と未払い賃金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2021-03-18 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成29(ワ)35106 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索