賃金請求
外国人講師が労働保険に加入しない代わりに月給に保険料相当額を上乗せして受け取っていたところ、後に保険に加入したため会社が給与から過去の保険料を差し引いたことなどについて、給与から勝手に差し引いた分は違法として支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告(労働者)は、会社が過去に遡って保険料を給与から差し引いたことは賃金全額払いの原則に違反しており無効であると主張した。また、重複して控除された保険料や、その後の基本給からの減額も不当な賃金カットであるとして、合計7万3698円の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)は、外国人講師との間で労災・雇用保険に加入しない代わりに保険料相当分5000円を基本給に上乗せする合意があったと主張した。ハローワークの指示で過去に遡って保険料を支払ったため、原告の給与からの差し引きやその後の基本給の減額は正当であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、保険に加入しない代わりに保険料相当分を上乗せしていた契約は直ちに無効とはいえないとした。しかし、過去の保険料を労働者の給与から遡って差し引くことは、賃金全額払いの原則に違反するため許されないと判断した。一方で、保険料の重複控除やその後の基本給の減額については、保険料相当分の支払いが解消されたことによるものであり不当とはいえないとした。
結論
原告の請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2005-02-24 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京簡易裁判所 |
| 区分 | 少年の裁判 |
| 事件番号 | 平成17(少コ)142 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索