賃金請求事件
タクシー会社で働く乗務員たちが、歩合給の計算時に残業手当などを差し引く会社のルールは違法だと主張し、未払いの賃金を求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告である乗務員らは、会社の賃金規則では残業をしても売上に応じた歩合給からその分が差し引かれる仕組みになっており、実質的に残業手当が支払われていないと主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告である会社側は、労働基準法に基づく残業手当などを算定して支払っており、通常の労働時間の賃金と割増賃金が明確に区分されているため問題はないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、売上から控除された割増金の額と同じ金額だけ歩合給が減額される仕組みでは、本来歩合給として支払われるべき賃金の名目を変えているにすぎず、通常の賃金と割増賃金を判別できないと判断した。そのため、原告の請求を退けた二審の判断には法令違反があるとして、事件を東京高等裁判所に差し戻した。
この事件だけの事情
最高裁が過去に示した賃金の判別ルールに基づき、タクシー業界特有の歩合給と残業手当の相殺の仕組みが適法かどうかを厳しく審査した点。
結論
最高裁判所は原判決を破棄し、審理をやり直すため高等裁判所に差し戻した。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2020-03-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成30(受)908 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索