雇用契約上の地位確認等請求事件
約30年間、1年ごとの有期雇用契約(期間の定めのある契約)を更新してきた従業員が、会社から雇止め(期間満了による契約終了)を言い渡されたことに対し、雇用の継続や賃金の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
長年契約を更新してきたことなどから契約更新への期待には合理的な理由があり、会社による雇止めは客観的に合理的な理由を欠き無効であると主張し、雇用契約上の地位の確認と、雇止め後の賃金や賞与の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
契約書に契約を更新しない旨の不更新条項を合意していたことや、会社の赤字による人件費削減や業務効率化の必要性から雇止めには客観的に合理的な理由があり、社員側の転職活動などの行動から契約継続の要求は信義則上許されないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、不更新条項への同意があっても直ちに契約終了の明確な意思表示とはいえず、約30年の更新の歴史から契約更新への期待は保護されると判断した。会社の主張する人件費削減などの理由は雇止めを正当化するには不十分であり、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当とは認められないとした。
この事件だけの事情
約30年間にわたり29回も有期雇用契約が更新されてきた長期の事例であり、会社の「最長5年ルール」の適用による雇止めに対して、契約更新への合理的期待権の有無が争点となった。
結論
原告(従業員)の請求が概ね認められました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2020-03-17 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成30(ワ)1904 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索