未払賃金等,地位確認等請求事件
会社の経営悪化に伴い労働協約(労使の取り決め)で賃金カットされた従業員が、未払分の支払いを求めた事件です。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、経営悪化による賃金カットは支払いの猶予(一時的な先送り)であり、会社側が経営改善部門を閉鎖したことで猶予理由が消滅したため、未払賃金の支払いを求めました。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、経営状態の悪化から労働組合との間で賃金カット(支払いの猶予)や将来の賃金債権を放棄する合意をしており、未払賃金に関する請求や債権は消滅したと主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、事後に締結された労働協約により既に発生した賃金請求権を原則として遡って処分・変更することは許されず、組合が労働者を代理して賃金債権を放棄したとは認められないと判断しました。また、会社の部門閉鎖により賃金の支払いを猶予する理由が失われたとして、未払賃金の元本の支払いを認めました。
この事件だけの事情
過去に発生した賃金債権の遡及的な処分や、労働組合による債権放棄の効果の範囲が問題となった事例です。
結論
従業員側の請求が認められ、会社側は未払賃金の支払いを命じられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2019-04-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成29(受)1889 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索