地位確認等請求事件
会社から遠く離れた倉庫への配置転換(配転)を命じられた労働者らが、その命令は無効であり精神的苦痛を受けたとして、地位の確認と損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
労働者らは、会社には配転を命じる権限がなく、命令は業務上の必要性もない不当なものであると主張。さらに、冬場に暖房も効かない過酷な倉庫への異動や、往復の移動時間を無駄にさせる嫌がらせであるとして、慰謝料などの支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、就業規則に基づいて配転命令を行う権限があり、営業部門の業務効率化という業務上の必要性もあったと反論。労働者の通勤時間や業務内容に大きな不利益はなく、裁量権の範囲内の適法な命令であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、会社には就業規則に基づき配転を命じる権限はあると認めた。しかし、本件の配転は業務上の必要性が認められず、会社が労働組合を嫌悪して組合員を排除するなどの不当な目的で行われたものと判断し、裁量権の濫用(権利の乱用)にあたると結論づけた。
この事件だけの事情
原告の一人が訴訟係属中に定年に達し、退職したことで地位確認の訴えが「確認の利益(裁判で決着をつける必要性)」を欠くとして却下された。
結論
労働者側の言い分が概ね認められ、会社に対して損害賠償金の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2017-03-21 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成28(ワ)12611 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索