正社員の地位確認等請求事件
育児休業後に有期雇用の契約社員に変わった従業員が、正社員としての地位確認や未払い賃金、雇い止めの無効などを求めた労働事件。
訴えた側(原告)の事情
正社員として無期労働契約を結んでいたが、育休後に保育園が決まらず、会社との合意で一時的に契約社員となった。しかし、保育園が決まったため正社員に戻るよう求めたところ拒否され、さらに雇い止め(契約更新の拒絶)をされたのは無効であり、不法行為(違法な嫌がらせ)による損害賠償などを請求した。
訴えられた側(被告)の事情
原告の契約社員への変更は本人の意思に基づく合意であり、正社員に戻るには改めて合意が必要であると主張。また、原告が正社員への復帰に固執して社内秩序を乱す問題行動を繰り返したため、契約社員の更新を拒絶したことや、不法行為にあたるような違法な扱いはしていないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、正社員から契約社員への変更を合意した時点で元の正社員契約は解約されたと認め、正社員としての地位や未払い賃金の請求は退けた。しかし、契約社員としての更新に対する期待は合理的なものであり、雇い止めには客観的に合理的な理由がないため無効と判断。さらに、会社側が正社員復帰の交渉で誠実に対応せず不誠実な対応に終始したことは不法行為にあたると認めた。
この事件だけの事情
育休後の復帰に際して有期労働契約に切り替えた後の正社員への再変更をめぐる交渉態度が、信義則上の義務違反として不法行為に問われた点が特徴的である。
結論
原告の請求の一部が認められ、契約社員としての地位確認や損害賠償などが認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2018-09-11 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成27(ワ)29819 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索