地位確認等請求事件
会社の解雇が有効か無効かが争われた事件。従業員に対する解雇が、解雇権の濫用(解雇の権利の行き過ぎ)に当たり無効であると判断され、未払い賃金などの支払いが命じられました。
訴えた側(原告)の事情
原告(従業員)側は、自身の能力不足や業績不良といった解雇の理由はなく、会社からの業務改善プログラム(PIP)の強要や不当評価を受けたのは労働組合の活動を嫌がらせるためのものであると主張しました。そして、本件解雇は権利の濫用であり無効であるとして、労働契約上の地位の確認や未払い賃金・賞与、慰謝料などの支払いを求めました。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)側は、原告には第二製品需給管理部での業務やプロジェクトの後方支援業務において知識不足や不適切な対応が多く見られ、業績改善の見込みもないと主張しました。就業規則の解雇事由である「技能または能率が極めて低く、現職等に就業させるに著しく適しないとき」に該当するため、解雇は客観的合理的な理由があり有効であると反論しました。
裁判所の判断
裁判所は、原告の執務上の対応に不適切な点や勤務態度の問題が一定程度認められるものの、それが解雇を検討すべきほど重大な程度に至っているとはいえないと判断しました。会社側が配置転換(部署異動)や職位を下げることなどの解雇を回避する手段を十分に検討しなかったことなどを考慮すると、本件解雇は客観的合理的な理由を欠き、社会通念上相当とはいえないため、権利濫用として無効であると結論付けました。
この事件だけの事情
解雇が無効とされた一方で、賃金減額や組合に対する不当労働行為・不法行為の主張については一部退けられ、過去の訴訟での請求認諾を踏まえた未払い賃金と賞与の支払いが認められました。
結論
原告(従業員)の請求が一部認められ、解雇が無効であることの確認と未払い金等の支払いが命じられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2017-03-08 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成26(ワ)16874 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索