地位確認等請求事件,建物明渡請求反訴事件
神社で働く権宮司(ごんぐうじ:次席の神職)の女性が、給与の未払いや職場でのいじめ、解雇の無効などを訴え、神社側も建物の明け渡しを求めて争った事件です。
訴えた側(原告)の事情
原告である権宮司は、神社側から給与の不当な欠勤控除(労働していない時間分の給与を差し引くこと)をされた、組織的なパワーハラスメントを受けた、解雇や免職は無効であると主張し、未払給与や損害賠償などを求めました。また、神社側からの建物明け渡し請求に対しては、代々住んできた建物に住み続ける権利があると主張しました。
訴えられた側(被告)の事情
被告である神社や代表者らは、原告の欠勤控除は正当であり、長期間の無断欠勤や命令違反などの問題行動があるため解雇や免職は有効であると主張しました。また、原告は職員としての地位を失ったため、神社が所有する建物から退去すべきであると反訴(はんそ:訴えられた側が原告を訴え返すこと)しました。
裁判所の判断
裁判所は、原告の就労状況に問題があったため解雇自体は有効と判断しました。しかし、職場での対立を放置して良好な環境を整える義務を怠ったことは違法であるとして、神社側と責任者らに損害賠償の支払いを命じました。また、建物の使用については、単なる職員の住まいではなく代々宗教上の儀礼を行ってきた特別な事情があるとして、神社側からの明け渡し請求は認めませんでした。
この事件だけの事情
神社における「社家(しゃけ:特定の神職を世襲する家柄)」の伝統や独自の身分関係が争点となった特殊な事件です。
結論
原告の請求が一部認められ、神社側は未払給与と損害賠償を支払うことになり、神社側の建物明け渡し請求は退けられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2018-02-13 |
|---|---|
| 裁判所 | 大分地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成26(ワ)55 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索