地位確認等請求控訴事件
新幹線の車両基地にある土地をめぐり、環境を守るための協定が敷地全体の市外にある部分にも適用されるか、また地下水の汲み上げをやめさせることができるかが争われた裁判。
訴えた側(原告)の事情
市は、事業者との間で結んだ環境保全協定とその覚書は車両基地の敷地全体に適用されると主張し、敷地の一部である市外の土地での地下水の汲み上げ禁止と協定の適用確認を求めて訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
事業者は、協定の適用範囲は市内の土地に限られており、市外の土地には及ばないことや、計画している地下水の採取は地盤沈下を引き起こす危険性がないため協定に違反しないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、協定における「事業場」とは基地全体を指し、市の区域外の土地にも適用されると認めた。しかし、協定第8条の地下水汲み上げ禁止は一律の禁止ではなく、地盤沈下などの具体的な危険性がある場合に限られるとしたため、今回の計画では危険性が認められず、差し止め請求は退けた。
この事件だけの事情
一つの事業場の敷地が複数の自治体にまたがっている場合において、環境保全協定の地理的適用範囲と、地下水汲み上げ禁止条項の解釈が問題となった特殊な事例である。
結論
原告(市)の請求は、協定が適用されることの確認は認められたが、地下水汲み上げの差し止めについては退けられ、双方の一部勝訴となった。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2017-07-12 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成28(ネ)2542 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索