賃金等請求事件,債務不存在確認反訴請求事件
大学の教員らが、定年後の勤務延長に関する給与を一方的に引き下げられたことは不利益変更(労働条件を労働者に不利に変えること)にあたり無効であるとして、減額分の未払給与や慰謝料などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
大学の教員らは、給与を大幅に引き下げる内規の変更は合理性がなく無効であると主張し、変更前の旧内規に基づく未払いの給与や、精神的苦痛に対する慰謝料、将来の給与の支払などを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
大学側は、学生数の減少や深刻な財政難により人件費を削減する高度の必要性があり、変更後の給与水準も相当であると主張し、内規の変更は有効であるとして教員らの請求の棄却を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、大学の財政難から人件費抑制の必要性は認められるものの、教員らに最大4割もの大幅な減額という重大な不利益が生じるにもかかわらず、経過措置や代償措置が一切なく、労働組合との交渉も十分ではなかったと指摘。したがって、内規の変更は合理性を欠き無効であると判断した。
この事件だけの事情
大学側が提起した反訴(やり返すための訴え)について、すでに退職している教員らに対する部分は確認の利益(裁判で確認を求める必要性)がないとして却下された。
結論
教員側の請求が概ね認められ、旧内規に基づく未払賃金等の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2017-03-30 |
|---|---|
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成25(ワ)1376 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索