慰謝料請求事件(以下「第1事件」という。),年齢の差別による賃金の返還及びに損害賠償請求事件(以下「第2事件」という。)
定年後の再雇用において年齢を理由に賃金を下げられたことは違法であるなどとして、元従業員が会社に対し、安全配慮義務違反による慰謝料や賃金の差額などの支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
勤務中にけいれんを起こした際、会社が適切な対応をとらなかったため安全配慮義務(健康や安全に配慮する義務)に違反したと主張した。また、同じ仕事をしている若い人よりも年齢を理由に賃金を低く抑えられたことは不法行為(違法な行為)にあたると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
体調不良の訴えに対しては適切に対応しており、安全配慮義務違反はないと主張した。また、定年後の再雇用者に対する賃金の引き下げは、終身雇用制度の仕組みや若年層を優遇する必要性などに照らして合理的なものであり、違法ではないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、会社側が体調不良の訴えに対して病院に行くよう指示するなど当時の状況に応じた適切な対応をとっていたと認め、安全配慮義務違反はないとした。また、年齢による賃金の差異についても、終身雇用制度の特徴や我が国の労働市場の現況などを踏まえると社会通念上不相当なものとはいえず、不法行為には当たらないと判断した。
この事件だけの事情
定年後の再雇用における年齢差による賃金の引き下げが、不法行為(違法な権利侵害)に当たるかどうかが詳細に検討された事例である。
結論
原告(元従業員)の請求はすべて棄却され、被告(会社)の言い分が認められました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2016-08-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成26(ワ)20147等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索