賃金支払請求事件
タクシー会社の乗務員らが、給与の仕組みに問題があり歩合給(成果に応じた給与)が少なく計算されていると主張して、会社に残業手当などの差額を求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
乗務員らは、会社の賃金規則では売上から残業手当などを引いて歩合給を計算しているため、残業しても実際の給与が増えず労働基準法(残業代の割増などを定めた法律)に違反して無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、あらかじめ残業手当などを見越した上で歩合給の歩率を高めに設定しており、労働者の合意や労使間の協議に基づいた合理的な仕組みであって、違法ではないと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、歩合給の計算で残業手当などを差し引く方式であっても、法定の割増賃金額を下回らない額が支払われており、タクシー業界の特殊性や長年の労使の合意を踏まえると、直ちに法律違反や公序良俗違反(社会の一般的なモラルに反すること)とは言えないと判断した。
この事件だけの事情
会社の組合側との長年の協議や、原告らの主張する計算方法によると会社の存続が困難になるという試算結果なども考慮された。
結論
原告(乗務員ら)の請求はすべて退けられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2016-04-21 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成26(ワ)26409 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索