賃金等請求事件
国立の教育機関で働く職員らが、給与を減らすルール変更は不利益変更(労働者に不利益な就業規則の変更)にあたり無効であると主張し、減額された給与の支払いや、労働組合に対する不法行為による損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、給与の減額幅が大きく生活に深刻な打撃を受けたこと、運営費交付金(国からの交付金)の削減が不確実であるのに給与を引き下げる必要性はなく、被告(使用者)側も十分な説明や誠実な協議(団体交渉)を行わなかったと主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告側は、国の給与特例法に準じた運営費交付金の削減が確実視され、財政的に人件費の削減が不可避であったと主張。あらかじめ予備費を計上して減額を遅らせるなどの緩和策をとっており、ルール変更には高度の必要性と合理性があったとした。
裁判所の判断
裁判所は、国の財政状況や運営費交付金削減の蓋然性から、給与を引き下げる高度の必要性は認められるとした。また、被告側が事前に多額の予備費を確保して減額時期を遅らせるなど不利益を緩和する努力をしており、団体交渉の対応も不誠実とはいえないとして、ルール変更を有効と判断した。
この事件だけの事情
国家公務員の給与削減(給与特例法)に伴う独立行政法人の給与引き下げの有効性が争点となった。
結論
原告らの請求はすべて棄却され、被告側の勝訴となりました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2015-01-21 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成24(ワ)33498等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索