地位確認等請求事件
会社から関連会社への出向を命じられた従業員らが、出向命令は無効であり、精神的苦痛を受けたとして、出向先で勤務する義務がないことの確認や損害賠償などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員らは、出向命令には業務上の必要性がなく、キャリアを無視して単純作業をさせるものであり、退職を拒否したことへの報復としての人事権の濫用(権利の乱用)であると主張。また、執拗な退職勧奨(退職を勧めること)や出向命令は不法行為(違法な行為)にあたると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、経営環境の悪化に伴う固定費削減や事業内製化(外部に頼っていた業務を社内で行うこと)の一環であり、就業規則に基づく正当な人事異動であると主張。退職勧奨も適法な範囲内であり、出向命令も適法であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、会社の経営状況の悪化から固定費削減の必要性は認めつつも、今回の出向者の選定は基準の合理性や手続きの透明性に欠けており、実質的には退職勧奨を拒否した者を対象に選んだものと評価せざるを得ないと判断。したがって、本件出向命令は人事権の濫用にあたり無効とした。ただし、損害賠償請求や差止請求については退けられた。
この事件だけの事情
希望退職の募集と連動して行われた出向命令について、その人選の合理性や真の目的が厳しく審査された事例である。
結論
原告らの請求の一部(出向して勤務する労働契約上の義務がないことの確認)が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2013-11-12 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成24(ワ)14574 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索