地位確認等請求控訴事件
国際企業である会社から、職務能力不足や協調性の欠如を理由に解雇された記者の従業員が、解雇は不当であるとして地位確認などを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告(従業員)は、アクションプランや複数回のPIP(改善計画)において設定された課題をほぼ達成しており、同僚と遜色ない数の記事を執筆しているため、職務能力不足による解雇は客観的な合理性を欠き無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)は、世界各地に拠点を置く国際企業であり、一般的な日本企業とは雇用形態が異なるため、雇用文化の多様性を考慮すべきであると主張。また、所在不明や執筆スピードの遅さなどの解雇事由を総合的に考慮して解雇は有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、会社が主張する「雇用文化の多様性」は一般的な一般論にすぎず、特別な基準の適用は認められないと判断した。さらに、会社が提示した解雇事由について個別に検討しても、またこれらを総合的に検討しても、労働契約を継続できないほど重大な職務能力の低下があったとは認められないとして、解雇を無効と判断した。
この事件だけの事情
国際企業における一般的な日本企業との雇用形態の違いや雇用文化の多様性の主張が、解雇権濫用の判断にどう影響するかについて踏み込んだ判断がなされている。
結論
労働者側の言い分が全面的に認められ、会社の控訴は棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2013-04-24 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成24(ネ)6853 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索