地位確認,損害賠償等請求事件
福祉施設の職員らが、法人の処分は無効だとして地位確認や賃金等を求め、逆に職員らによる名誉毀損に対して損害賠償が請求された事件。
訴えた側(原告)の事情
福祉施設の職員らは、行った署名活動は組織の体質改善を目的とした正当なものであり、懲戒免職処分(解雇)や降格人事、役員らの処分は無効であると主張し、未払いの賃金や損害賠償を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
法人側は、職員らによる署名活動や文書の配布は組織の秩序を乱し、特定の会社との癒着による背任的行為や経営への不信を招いたものであるから、懲戒免職処分は正当であり、名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、職員らの署名活動は自分たちの処分の回避や上層部を批判する目的で行われたものであり、職場の秩序を乱して業務に大きな影響を与えたと認定した。また、特定業者との癒着の疑念についても合理的な理由があり、懲戒免職処分は適法であると判断した。一方で、配布された文書に具体的な根拠のない記述が含まれ、職員の名誉を毀損したことは認められるとした。
この事件だけの事情
懲戒免職処分を受けた職員側が法人を訴えた「甲事件」と、職員らの行為により名誉を傷つけられたとされた側が訴えた「乙事件」が併合して審理された。
結論
職員側の請求はすべて棄却され、法人側の名誉毀損に関する請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2003-01-23 |
|---|---|
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成10(ワ)346 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索