退職金請求控訴事件,承継参加申立事件(通称 メットライフアリコ生命保険競業避止義務)
退職後に競業避止義務(他社への就職を制限するルール)に違反したとして退職金を支払わないとされた元役員が、そのルールの無効と退職金の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
元従業員は、会社との退職金支払いの合意に基づき、退職金約3037万円と遅延損害金の支払いを求めた。また、会社が主張する「競業避止条項(同業他社への転職を禁止するルール)」や「不支給条項」は無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側(および事業を承継した参加人)は、元従業員が退職日の翌日に競合他社に転職したことは退職金の不支給事由に該当すると主張し、請求の棄却を求めた。また、仮に条項が無効であっても退職金を減額すべきであると予備的に主張した。
裁判所の判断
裁判所は、従業員等がいわゆる職業選択の自由(憲法上の権利)を持つことから、退職後の競業を禁止する合意は会社の正当な利益の保護を目的とし、諸事情を考慮して不当なものでない場合に限り有効となるとした。本件では、元従業員は執行役員であったものの取締役に類するほどの高度な権限や信任を付与されていたとはいえず、競業避止条項や不支給条項は無効であると判断した。
結論
元従業員側の主張が認められ、会社側からの控訴は棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2012-06-13 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成24(ネ)920等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索