地位確認等請求事件(通称 コナミデジタルエンタテインメント降格)
育児休業(育休)を終えて復職した社員が、元の業務から外され、役職や年俸を引き下げられたこと、および時短勤務に伴い裁量労働制(みなし労働時間を適用する制度)の適用を外されたことは違法であるとして、会社に対し未払い給与や損害賠償などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告(訴えた側)は、育休からの復職時に別の業務へ配置転換され、役割グレード(職務の等級)や年俸を引き下げられたこと、また時短勤務の申し出により裁量労働制の適用を外されたことは、育児や性別を理由とする不利益扱いに当たり、人事権の濫用(権利の行き過ぎ)や各種法令に違反して無効であると主張した。さらに、会社側から受けた不当な扱いや差別的発言により精神的苦痛を受けたとして、損害賠償などを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(訴えられた側)は、復職時の配置転換や役割グレードの引き下げ、年俸の減額は、業務上の必要性や本人の実績、人事制度のルールに則って適法に行ったものであると主張した。また、時短勤務を選択したことにより時間配分の裁量がなくなるため、裁量労働制の適用を外したことは正当であり、女性差別や不利益取扱いの意図は一切なかったと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、復職後の業務変更やそれに伴う役職・年俸の変更、裁量労働制の適用除外について、会社の業務上の必要性や規定に基づくものであり、人事権の範囲内であると認めました。一方で、年俸の成果報酬をゼロと査定したことについては、育休前の実績や業務への貢献を考慮していないとして、査定に関する裁量権の濫用(行き過ぎ)にあたり違法であると判断しました。結果として、成果報酬の不支給に伴う精神的損害に対する慰謝料等の支払いを命じ、その他の請求は棄却しました。
この事件だけの事情
育児休業明けの社員に対する配置転換や給与減額の有効性、および成果報酬の査定における裁量権の範囲が詳細に検討された事例である。
結論
原告の請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2011-03-17 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成21(ワ)20155 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索