未払退職金請求事件(通称 大分県商工会連合会退職金規程変更)
定年退職した元職員が、退職金と給与の規程変更は不利益変更(労働条件を一方的に悪くすること)で無効だと主張し、未払いの退職金などの差額支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告は、在職中に会社が行った退職給与規程と職員給与規程の改正は不合理な不利益変更であり無効であると主張した。また、自身の職階認定(役職上の等級)も人事権の濫用(権限の行き過ぎ)で無効であるとして、改正前の規程に基づく未払退職金の差額支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の会社は、退職金基金の財政悪化や国・県の方針(給与引き下げなど)に伴い、規程の改正には高度の必要性があったと主張した。また、代償措置(見返りの対策)として再雇用制度や現給保障などを講じており、職員団体との十分な協議も経ているため規程改正は有効であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、退職金基金の充足率低下などの財政悪化から規程改正には高度の必要性があり、内容も特定の層にのみ不利益を課すものではなく、代償措置や職員側との十分な交渉・周知も行われていたため、規程の変更は合理性があり有効であると判断した。また、職階認定についても人事権の裁量の範囲内であり濫用とは認められないとした。
この事件だけの事情
商工会等の職員に関する退職金・給与規程の不利益変更の有効性と、人事評価に基づく職階認定の適法性が争点となった。
結論
被告の言い分が認められ、原告の請求はすべて棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2011-04-08 |
|---|---|
| 裁判所 | 大分地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成21(ワ)868 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索