地位確認及び未払賃金等請求事件
外国人研修・技能実習制度で来日した労働者らが、実態のない会社の名義を利用していた実質的な経営者と第一次受入れ機関に対し、未払賃金や慰謝料などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、形式上の受入れ先には会社としての実態がなく、実質的な経営者である被告から違法な長時間労働を強いられたのに適正な賃金が支払われなかったと主張。また、第一次受入れ機関である組合も適切な監理を行う義務を怠ったとして、未払賃金や不法行為(違法行為)に基づく損害賠償を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の経営者は、原告らを雇用したのは自身ではなく別の会社であり、使用者としての責任はないと反論。組合側も、適格性を確認して定期的な調査や面談を行っており、監理義務違反や不法行為責任はないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、形式上の受入れ先には会社の実態がなく、実質的な経営者が指揮命令して労務の提供を受けていたことから、研修期間を含めて労働者性と使用者性を肯定した。したがって、経営者に対して未払賃金と割増賃金、および労働基準法違反に対する付加金(ペナルティとしての金銭)の支払いを命じた。また、組合についても、実態のない会社への受入れを放置し、不法行為を助長したとして慰謝料の支払いを認めた。
この事件だけの事情
外国人研修・技能実習制度における第一次受入れ機関(組合)の監理責任と、形式的な名義会社を利用した実質的経営者の使用者責任が争点となった事案である。
結論
原告らの請求が一部認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2012-10-24 |
|---|---|
| 裁判所 | さいたま地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成22(ワ)3472 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索