地位確認等請求控訴事件(通称 東京都国立大学大学院教授懲戒解雇)
大学の教授が、共同で発表した論文に再現性がないことなどを理由に懲戒解雇(ちょうかいかいこ:重大なルール違反に対するクビの処分)されたのは無効だと主張し、地位の確認と給料の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
元教授側は、自分は実験担当者ではなく責任著者であり、実験は助手が行ったものであり責任の範囲には限界がある、他の大学の同様の不正では懲戒解雇されていないなどと主張し、解雇は無効であると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
大学側は、責任著者は論文の信頼性や再現性について最終的な重い責任を負うべきであり、助手からの実験結果を十分に確認せず、疑問が指摘された後も不適切な対応を続けたため、懲戒解雇は有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、自然科学の学術論文の責任著者は論文の内容や再現性について最終的な責任を負う立場にあると判断した。元教授は実験ノートを確認せず、再現性を示すこともできなかったため、懲戒解雇は相当であると結論づけた。
この事件だけの事情
共著論文における責任著者の監督責任や、論文の再現性を証明する義務について詳細に判断された事例である。
結論
大学側の言い分が通り、元教授側の請求は棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2010-11-24 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成21(ネ)1254 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索