地位確認等請求事件(通称 日本トムソン黙示の労働契約)
工場で長年働いていた派遣労働者らが、直接雇用の確認や不法行為に基づく慰謝料を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
工場での就労について、事前面接や違法な偽装出向・偽装請負(労働者派遣法などに違反する違法な働き方)があったため被告企業との間に直接の労働契約が成立していると主張し、解雇の無効確認や給与の支払い、さらに違法な状態で働かされたことに対する慰謝料などを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
原告らとの間には黙示の労働契約(合意が明示されていなくても実態から認められる契約)は成立しておらず、労働局の是正指導を受けて直接の有期雇用契約を締結したものの契約期間満了により適法に終了したと主張し、原告らの請求を退けるよう求めた。
裁判所の判断
裁判所は、事前面接や指揮命令の状況から被告との間に黙示の労働契約が成立していたとは認められないとし、期間満了による雇止め(契約更新の拒絶)も無効とはいえないと判断した。しかし、偽装出向や偽装請負などを繰り返して5年超にわたり違法な労働者派遣を続けたことについては被告の不法行為(違法な行為)が成立すると認め、原告ら各自に慰謝料50万円の支払いを命じた。
この事件だけの事情
違法な労働者派遣状態が長期に及んだことの違法性を認めつつ、個別の就労期間の長短にかかわらず同額の慰謝料を認めた点が特徴的である。
結論
原告らの請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2011-02-23 |
|---|---|
| 裁判所 | 神戸地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成21(ワ)555 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索