地位確認等請求事件(通称 京阪バス諭旨解雇)
バス運転手が飲酒検知器の反応を理由に諭旨解雇(退職を勧告する懲戒解雇)されたことに対し、解雇の無効と賃金・慰謝料の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告はバス運転手として勤務していたが、出庫点呼時のアルコール検査で微量反応が出たことを理由に諭旨解雇された。原告は、前日の飲酒量は少なく法律上の酒気帯びには該当しないと主張し、解雇は権利の濫用であり無効であると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の会社は、原告が前日に多量の飲酒をして乗務当日にアルコールが検知されたため、過去の処分歴も踏まえて諭旨解雇を行ったと主張。また、原告の検査時のアルコール反応や態様から解雇は正当であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、1・2回目の検査での反応は法律上の基準に満たない「低い」レベルにとどまっていたことや、会社側が事後的に報告書の記録を原告に不利に改変していた疑いがあることを指摘。道路交通法上の酒気帯びと断定できない中での解雇は重すぎて無効であると判断し、記録改変などの対応も含めて不法行為(違法な行為)に該当すると認めた。
この事件だけの事情
会社側が事後的に報告書の記録を改変していた点が、解雇の無効だけでなく不法行為責任の根拠としても重視された点が特殊である。
結論
原告の請求が一部認められ、解雇が無効とされたほか、未払いの賃金・賞与および慰謝料等の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2010-12-15 |
|---|---|
| 裁判所 | 京都地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成21(ワ)3362 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索