退職金減額率決定処分取消請求事件(通称 独立行政法人勤労者退職金共済機構退職金減額率決定取消)
会社を退職した従業員が、退職金を80%減額された決定の取り消しを求めた裁判。裁判所は、この決定は行政庁の「処分」には当たらないとして、訴えを却下しました。
訴えた側(原告)の事情
原告は、長年勤務した会社を退職した際、退職金共済制度に基づく退職金の80%を減額された。退職金の減額決定は行政処分の取消訴訟の対象になると主張し、決定が社会通念上妥当性を欠く裁量権の濫用であるとして、その取り消しを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告は、本件の退職金支給は共済契約に基づく私法上の行為であり、被告の優越的な地位に基づく公権力の行使(処分)ではないと主張した。また、原告の訴えは行政事件訴訟法上の「処分」性を欠いており不適法であるとして、訴えの却下を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、中小企業退職金共済制度による退職金は共済契約に基づくものであり、被告が一方的に権利義務を形成する権限を持つ行政処分とは認められないと判断した。法84条の規定は民事訴訟の提起を制限せず行政不服審査手続の利用を認めた趣旨であるとし、本件の決定を取り消す訴えは不適法であるとして却下した。
この事件だけの事情
被告側が誤った教示(不服申立てや訴訟に関する案内)をしたため、訴訟費用は被告の負担とされました。
結論
被告(退職金共済制度を運営する独立行政法人)の主張が認められ、原告の訴えは却下されました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2010-07-22 |
|---|---|
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 平成21(行ウ)11 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索