地位確認請求事件
会社が事業部門を新設分割(新しい会社を作って事業を移すこと)した際、労働契約が新しい会社に引き継がれることになった従業員らが、事前の話し合いや手続きに不備があるとして、元の会社に対して労働契約の確認や損害賠償を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、会社からの説明が不十分であり協議も不誠実であったため、新しい会社への労働契約の承継には効力がないと主張した。また、在籍出向(元の会社に籍を置いたまま別の会社で働くこと)や配置転換を求めたが会社に応じてもらえなかったため、労働契約上の地位確認と損害賠償を求めて提訴した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、イントラネットでの情報提供や従業員代表者・労働組合との複数回にわたる協議など、法律や指針に沿った必要な手続き(7条措置や5条協議)を行ったと主張。将来の経営判断に関する回答や在籍出向の要求に応じなかったことには相応の理由があり、労働契約の承継は有効であるとした。
裁判所の判断
裁判所は、会社が実施した従業員代表者や労働組合との協議・説明の内容は指針の趣旨にかなうものであり、説明が著しく不十分であったとはいえないと判断した。経営見通しや出向の要求に応じなかったことについても相応の理由があると認め、労働契約の承継の効力を否定することはできないとして、従業員らの請求を退けた原審の判断を支持した。
結論
会社側(被上告人)の勝訴。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2010-07-12 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成20(受)1704 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索