地位確認等請求事件(通称 椿本マシナリー懲戒解雇)
会社の慰安旅行や日常の場で部下の女性にセクハラ(セクシャルハラスメント:性的な嫌がらせ)をしたとして懲戒解雇された元従業員が、解雇は重すぎて無効だと訴え、地位確認と給与の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告(元従業員・元取締役)は、酒席での言動に反省すべき点はあったが、これまで注意や指導を一度も受けたことがないのに、いきなり最も重い懲戒解雇(クビ)にするのは重すぎて不当である。そのため、解雇は無効であり、会社で働く地位の確認と給与の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)は、役職を利用した悪質なセクハラ行為を長期間かつ多数回にわたり行い、職場の環境を著しく悪化させた。会社はコンプライアンス(法令遵守)を重視しており、一連の行為は就業規則に違反するため、懲戒解雇は正当で有効であると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、原告の言動は違法なセクハラであり懲戒の対象になると認めつつも、過去に一度も指導や注意を受けないまま、労働者にとって極刑である懲戒解雇を直ちに選択したことは、社会的相当性を欠き権利の濫用(権利の行き過ぎ)にあたると判断した。そのため、解雇は無効として労働者の地位を認め、判決確定までの給与の支払いを命じた。
この事件だけの事情
懲戒解雇の有効性が争われた事案であり、過去に一度も注意や指導を受けずに直ちに最も重い懲戒解雇を選択した点を裁判所が重く見て、解雇を無効とした事例。
結論
原告(元従業員)の言い分が認められ、懲戒解雇は無効とされた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2009-04-24 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成19(ワ)21941等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索