各雇用関係存在確認等請求控訴事件(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構解雇)
国鉄の分割民営化の際、組合に所属していた労働者が新しい鉄道会社に採用されず不利益を受けたとして、地位確認や損害賠償を求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
国鉄労働組合に所属していた労働者らは、組合活動を理由に新会社への採用候補者名簿から外されるなどの不当労働行為(労働者の権利を侵害する違法な差別行為)を受けたとして、雇用関係の確認や、採用されなかったことによる損害賠償などを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告となった側は、採用基準や勤務成績に基づいて適正に選考を行ったものであり、組合差別はなかったと主張。また、損害賠償請求権は消滅時効(一定の期間が過ぎて権利が消滅すること)によってすでに消滅しているなどと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、採用候補者の選考において所属組合による不利益な取扱い(差別)があったと認め、不法行為(違法な加害行為)が成立すると判断した。ただし、新会社への採用や賃金の支払いを認めることはできず、採用の可能性が断たれたことに対する精神的損害(慰謝料)などの賠償を命じた。
この事件だけの事情
国鉄改革における大量の採用拒否や不当労働行為をめぐり、最高裁判所の判決が出るまでの期間における消滅時効の起算点(時効が数え始められる時期)の解釈が問題となった特殊な事件である。
結論
労働者側の請求が一部認められ、被告側は慰謝料などの支払いを命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2009-03-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成17(ネ)5014等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索