損害賠償請求控訴事件(通称 昭和シェル石油男女賃金差別)
長年勤務した女性従業員が、男性と同じ学歴や経験であるにもかかわらず女性であるという理由で不当に低い賃金や昇格に抑えられたとして、会社に対して不法行為に基づく損害賠償を求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告(訴えた人)側は、採用時から一貫して男性と同じ事務職の正規職員として働いてきたにもかかわらず、会社から女性であることを理由に昇格や賃金面で差別的な扱いを受けたと主張。適正な資格であるべきだったとして、差額の賃金や退職金、年金、および慰謝料などの損害賠償の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(訴えられた会社)側は、原告の業務内容は主に定型的なタイプ業務などで責任度や困難度が低く、特殊職として位置づけられていたため昇格しなかったのは正当であると主張。人事評価や昇格は個人の能力や勤務態度に基づき適正に行われたものであり、男女差別ではないとして請求の棄却を求めた。
裁判所の判断
裁判所は、会社において高卒男性は年功や能力に応じて昇格していく一方、高卒女性は一定の等級以上への昇格を想定しない別の昇格基準が運用されていたと認定。法律が定める均等取扱いの努力義務を尽くさず、差別の状態を放置して不利益を与えたことは違法であると判断し、一部の期間についての損害賠償請求を認めた。
この事件だけの事情
時効の成立により請求の一部が認められなかったほか、月例賃金や賞与の差額に加え、退職金や公的年金の差額、さらには弁護士費用や慰謝料を含めた総額が賠償金として算定されている。
結論
原告の請求が一部認められ、会社側に対して約2,051万円の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2007-06-28 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成15(ネ)2100等 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索