損害賠償請求事件(通称 アズウェル解雇)
C型肝炎に感染していることを理由に派遣会社から突然解雇された労働者が、解雇の無効やプライバシー侵害などを理由に、派遣会社と派遣先企業に対して損害賠償を求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告は、C型肝炎は通常の日常生活では感染せず就労に支障はないのに、感染の事実のみを理由とする解雇は著しい違法行為であると主張した。また、病歴を無断で上司等に言いふらされたことはプライバシー侵害にあたると訴えた。
訴えられた側(被告)の事情
派遣会社は、勤務態度が不良で就業に適さないという解雇条件に該当するため適法であると主張した。また、派遣先企業らは、業務上の支障を危惧して報告したものであり、プライバシー侵害にはあたらないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、C型肝炎は通常業務に支障がなく、長期休暇の切迫した事情もうかがえないため、感染を理由にした解雇は社会的相当性を逸脱した違法な不法行為であると判断した。一方、病歴の報告については、職場環境の整備などの観点から合理性があり、プライバシー侵害や派遣先の関与までは認められないとした。
この事件だけの事情
派遣先企業の従業員間での病歴の報告行為について、プライバシー侵害の成立要件を一般論として示したうえで、業務上の必要性に基づく合理的な範囲内の開示であるとして違法性を否定した点が特徴的である。
結論
原告の請求が一部認められ、派遣会社に対して損害賠償の支払いが命じられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2005-03-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 神戸地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成15(ワ)2892 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索