地位確認、社宅明渡
会社が組合との労働協約で定年や退職金を労働者に不利に変更したことに対し、従業員が無効を主張して争った事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、労働協約によって定年が満63歳から満57歳に引き下げられ、退職金の支給基準率も引き下げられたことは不利益であり、個別の同意や授権がない限り規範的効力(労働条件を直接決める力)は認められないと主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、経営危機を乗り越えるための会社再建の施策として、組合との間で十分に交渉を重ねた上で本件労働協約を締結したものであり、当時の業界水準と対比しても不合理ではなく、全体としての合理性があると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、労働協約による労働条件の不利益変更であっても、当時の会社の経営状態や締結に至る経緯、全体としての合理性に照らし、特定の組合員を殊更不利益に取り扱うなど労働組合の目的を逸脱したものでなければ、規範的効力を否定することはできないと判断した。
この事件だけの事情
鉄道保険部出身の労働者の特殊な高年齢定年の統一と、会社の経営危機に伴う退職金算定方法の改定が一体として行われたという特殊な経緯がある。
結論
会社側の言い分が認められ、上告人(従業員)の上告が棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1997-03-27 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成7(オ)1299 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索