賃金
会社が従業員を懲戒解雇(ちょうかいかいこ=重大な規律違反に対するクビの処分)した際、処分当時に知らなかった別の違反理由をあとから追加して処分の正当性を主張できるかが争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、会社からの懲戒解雇は不当であるとして裁判を起こし、労働者としての地位があることなどを求めました。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、従業員が休暇の請求やその際の応接態度で問題を起こしたとして懲戒解雇にしたほか、あとから年齢詐称(ねんれいさしょう=年齢を偽ること)の事実も発覚したため、これも解雇の理由になると主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、懲戒処分は労働者の企業秩序違反に対する罰であるため、具体的な適否は理由とされた行為との関係で判断されるべきであるとしました。したがって、処分当時に会社が認識していなかった違反行為は、特段の事情がない限り処分の理由とは言えず、あとからその存在をもって解雇の有効性を根拠付けることはできないと判断しました。
結論
従業員側の主張が認められ、会社の敗訴となりました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1996-09-26 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成8(オ)752 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索