退職手当請求事件
禁錮以上の刑を受けたことを理由に地方公務員が失職し、退職手当が支給されなかったことについて、法律や条例が憲法に違反するかどうかが争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
上告人(元地方公務員側)は、禁錮以上の刑を受けたことを理由とする失職を定めた地方公務員の規定や、一般の退職手当を支給しないとした条例の規定は、憲法が保障する幸福追求権や法の下の平等、財産権などに違反すると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被上告人(行政側)は、禁錮以上の刑を受けた者は公務に対する住民の信頼を損なうため公務員としてふさわしくなく、退職手当の支給制限も退職手当制度の適正な実施や住民の信頼確保を目的としたものであり、憲法に違反しないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、地方公務員の地位の特殊性や職務の公共性に照らし、禁錮以上の刑を受けた者を公務から排除して住民の信頼を確保する規定や、勤続報償としての退職手当を支給しないとした条例の規定にはいずれも合理性があり、私企業労働者との差別も不当ではないとして、憲法に違反しないと判断した。
この事件だけの事情
過去の最高裁判所の大法廷判決の趣旨を踏まえて判断された。
結論
上告人の訴えが退けられ、上告が棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2000-12-19 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 平成10(行ツ)164 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索