解雇無効等請求
同僚の不正な出勤打刻を手伝った従業員が懲戒解雇(重い処分)されたことに対し、解雇は権利の濫用(行き過ぎた処分)であるとして無効を求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員側は、同僚の不正な打刻(タイム・レコーダーの不正操作)を行ったことは就業規則の不都合な行為に当たるが、ふとしたはずみで偶発的になされたものであり、最も重い懲戒解雇としたのは懲戒権の濫用(権限の行き過ぎ)であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、出勤時刻が給料算定の基礎となるため不正防止を厳しく図っており、事前に「不正があれば解雇する」旨の警告を告示して従業員全員に周知徹底させていたにもかかわらず、あえてこれを無視した不正であるため、懲戒解雇は正当であると主張した。
裁判所の判断
最高裁判所は、会社が不正防止の警告を出し周知していた事実がある以上、従業員の不正打刻を「ふとしたはずみで偶発的になされたもの」とする原審の認定は極めて合理性に乏しいと指摘した。他に納得できる特段の事情がない限り、懲戒解雇が懲戒権の濫用になるとは即断できず、原審には審理不尽(調査不足)の違法があるとして、原判決の敗訴部分を破棄し、裁判をやり直すため差し戻した。
結論
最高裁判所は原審の判断に審理不尽等の違法があるとして原判決を破棄し、事件を差し戻した。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1967-03-02 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和40(オ)564 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索