解雇効力停止仮処分請求事件の判決に対する特別上告
危険な特殊工場でのストライキ(労働争議)において、ピケティ(労働組合員による見張りや説得活動)のやり方が過激で操業を止めたことや損害を与えたことを理由とする解雇が、正当な組合活動(労働組合の活動)として認められるかが争われた事件です。
訴えた側(原告)の事情
会社側としては、危険な高圧ガスを取り扱う特殊な工場において、組合員らが計器室へ大勢で押し入り喧騒し、作業員に不測の災害への不安を与えて無理やり操業を停止させた行為は、ピケ活動(労働組合の活動)の限界を超えて業務を妨害した違法なものであると主張しました。
訴えられた側(被告)の事情
上告人(解雇された労働者側)としては、本件の争議行為やピケ行動は正当な組合活動であり、会社の操業の自由を形式的に対置して違法とすべきではなく、これに基づく懲戒解雇(重い処分としてのクビ)や不当労働行為(労働組合の活動を理由にした不利益取扱)ではないとする判断は、憲法で保障されたり労組法で保護される権利の解釈を誤ったものであると主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、最新式のオートメーション工場で一歩間違えば大爆発の危険がある特殊な状況下において、多数の組合員が計器室に侵入し、作業員に直接的な危虞感(おそれ)を与えて操業を停止させた行為はピケの正当性の限界を超える違法な業務妨害であると判断しました。また、電解槽を破壊したことも就業規則違反の重大な過失による損害に当たり、解雇は有効であり不当労働行為には当たらないとして、全員一致で上告を棄却しました。
この事件だけの事情
高圧ガスを取り扱う危険な最新式オートメーション工場の計器室への侵入と、それに伴う直接切迫した危虞感を与えるピケ行動の違法性が主な判断の前提となっています。
結論
会社側の解雇が有効とされ、労働者側の上告が退けられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1960-10-18 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和35(テ)3 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索