退職金等、同請求参加
退職する従業員が、会社からの借金の返済に退職金や給与を使うことに同意したことが、賃金は全額を支払わなければならないという法律(賃金全額払の原則)に違反するかが争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
従業員の破産管財人(財産を管理する人)が、退職金や給与から借金を差し引いて支払ったのは労働基準法の「賃金全額払の原則」に違反しており無効であると主張し、差し引かれたお金の返還を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
会社側は、従業員本人が自らの自由な意思に基づいて、退職金や給与を借金の返済に充てることに同意し手続きを依頼したものであり、違法ではないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、従業員が自発的に借金の返済手続きを依頼したことや、借金が低利で長期分割の住宅資金であることなどから、同意は労働者の自由な意思に基づいてされた合理的な理由があると判断し、会社の相殺(互いの債権を帳消しにすること)を適法とした。
結論
原告(破産管財人)の請求が退けられ、会社の対応が適法と認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1990-11-26 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和63(オ)4 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索