賃金債権
定年を55歳から60歳に引き上げる際の賃金引き下げについて、労働者が不利益だと訴えた事件。
訴えた側(原告)の事情
定年が55歳から60歳に伸びる一方、55歳以降の賃金が大幅に減らされた。長年働いてきた従業員にとって不利益であり、会社の変更は無効であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
定年の60歳延長は社会的にも求められたものであり、会社全体の負担を抑えるためには55歳以降の賃金見直しや人事制度の改定が必要不可欠であったと反論した。
裁判所の判断
裁判所は、賃金が大きく減る不利益は相当大きいと認めつつも、国や社会的な定年延長の強い要請、会社側の経営状況、労働組合との合意を経て行われたことなどを総合的に考慮し、不利益を受忍(がまん)させることがやむを得ない程度の合理性はあると判断した。
この事件だけの事情
定年延長に伴う賃金水準の引き下げをめぐり、経過措置が設けられていない中での労働者の大きな不利益と、会社側の必要性・合理性のバランスが裁判官の間でも分かれた事例である。
結論
原告の請求は退けられた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1997-02-28 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成4(オ)2122 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索