地位確認等
1年の期間を定めて採用された高校の教員が、期間満了による雇い止めは無効であると主張して争った事件。
訴えた側(原告)の事情
学校で教員として採用された原告は、採用面接の際に長期間の勤務を期待させるような発言をされており、1年で雇い止めされるとは思っていなかった。そのため、契約期間の満了を理由に退職扱いとされたことは納得がいかないと主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告である学校側は、新規採用の教員は適性を吟味する必要があるため、1年の期限付き職員契約として採用したものであり、期間満了によって雇用契約は当然に終了したと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、採用に期間を設けた趣旨が適性を評価するためである場合、明確な合意等の特段の事情がない限り、その期間は契約の存続期間ではなく、適性を見るための試用期間(採用後に適性を判断する期間)であると解すべきであるとした。また、契約書が後から作成された点などから、1年で当然終了する明確な合意があったか疑問が残ると指摘し、審理をやり直させるため高等裁判所に差し戻した。
この事件だけの事情
新規採用における「期間を定めた雇用契約」の法的性質(試用期間や解約権留保付雇用契約にあたるか)についての重要な判断基準が示された点。
結論
最高裁判所は原判決を破棄し、審理を高等裁判所に差し戻した。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1990-06-05 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成1(オ)854 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索