未払賃金請求事件
大学病院で臨床研修を受けていた研修医が、労働基準法上の労働者に当たるか、最低賃金法に基づく賃金の差額を請求できるかが争われた事件です。
訴えた側(原告)の事情
研修医の遺族らが、研修医は病院の指揮監督の下で医療行為を行っており労働者(賃金が支払われるべき立場の人)に該当するとして、最低賃金額と実際に支払われていた奨学金等との差額に相当する賃金の支払いを求めました。
訴えられた側(被告)の事情
病院側は、臨床研修は教育的な側面が強く研修医は労働者に当たらないとして、最低賃金法に基づく賃金の支払義務はないと主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、研修医が臨床研修プログラムに従って医療行為等に従事することは病院の開設者のための労務の遂行という側面を不可避的に有し、病院の開設者の指揮監督の下で行われていたと評価できる限り労働者に当たると判断しました。本件では、研修医は指定された時間や場所で指導医の指示に従って医療行為を行っており、病院側も給与等として源泉徴収を行っていたことから、労働者に当たると結論付けました。
この事件だけの事情
研修医の法的地位や労働者性についての最高裁判所の重要な判断を示した事例です。
結論
原告の請求が認められ、研修医は労働者に当たると判断されました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2005-06-03 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成14(受)1250 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索