地位確認請求事件
懲戒免職処分を受けた国家公務員が、処分の係争中に市議会議員選挙に立候補して当選したところ、後に処分が停職に軽微化されたものの、立候補によって公務員としての地位は確定的に消滅しているかが争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
上告人は、懲戒免職処分を不服として人事院に審査請求を行い、処分が停職一年間に修正されたため、停職期間満了後の給与の支払いを求めて訴えた。立候補の届出は懲戒免職処分を争っている最中に行ったものであり、処分が後に修正された以上、職員としての地位は回復されるべきだと主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被上告人は、立候補の届出をした日をもって上告人は郵政省職員の地位を失ったとし、人事院の判定により処分の内容が停職に修正された後も、職員としての地位は回復されないため給与の支払いを拒否した。
裁判所の判断
最高裁判所は、公務員の立候補を制限する規定の趣旨から、公務員たる地位と公職の候補者たる地位とは二者択一の関係にあると指摘した。懲戒免職処分を不服として係争中に立候補の届出をした場合でも、法規定により立候補の時点で公務員の地位は確定的に消滅すると解するのが相当であり、その後に処分が修正・取消されても地位を回復する余地はないと判断した。
結論
被上告人(国)の言い分が認められ、上告人の上告は棄却された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1989-04-27 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 行政の裁判 |
| 事件番号 | 昭和63(行ツ)131 |
| 分野 | 行政 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索