解雇無効確認等請求事件
外国の州の日本事務所で働いていた現地職員が、解雇は無効だとして地位確認や賃金を求めた事件。我が国の裁判所が外国政府を裁けるか(裁判権免除)が争われました。
訴えた側(原告)の事情
外国の州が日本国内に設けた事務所で正職員として働いていた原告は、事務所の閉鎖に伴い言い渡された解雇は無効であると主張し、雇用契約上の地位の確認と解雇後の賃金の支払いを求めて提訴しました。
訴えられた側(被告)の事情
被告である外国の州の一部局は、緊縮財政のために日本事務所を閉鎖したことは正当であり、また外国国家に対する日本の民事裁判権は及ばない(裁判権免除されるべきである)と主張して、訴えの却下を求めました。
裁判所の判断
裁判所は、本件の雇用契約や解雇は私人間のものと変わらない「私法的ないし業務管理的」な行為であり、日本が裁判権を行使しても外国の主権を侵害するとはいえないと判断しました。その上で、訴えを却下した原審(二審)の判断には法令の違反があるとして、原判決を破棄し、審理をやり直すため高等裁判所に差し戻しました。
この事件だけの事情
外国国家やその機関に対する日本の民事裁判権(国を相手取って裁判を起こせるか)の範囲、特に労働問題における適用のあり方について判断した重要な最高裁判例です。
結論
原告(労働者)の上告が認められ、裁判のやり直しのために事件が高等裁判所へ差し戻されました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2009-10-16 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成20(受)6 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索