労働契約上の地位確認等請求事件(通称 福岡県私立大学教授懲戒解雇)
大学の教員が組合活動や電話での発言などを理由に懲戒解雇されたのは無効だとして、地位確認や給与・賞与・退職金・慰謝料の支払いを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告は大学の教員で労働組合の委員長。大学側の大量解雇や方針に反対して活動していたところ、関係者に電話で確認したことを口実に懲戒解雇された。解雇は不当労働行為(労働組合の活動を理由とする不利益扱い)であり無効だと主張し、未払いの給与や賞与、退職金、慰謝料を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の学校法人は、原告が非常勤講師の講座開講を妨害したり、教授会の内容をマスコミにリークしたりしたことは就業規則違反の懲戒解雇事由に当たると主張。解雇は正当な理由に基づくものであり、組合活動を理由にしたものではないから、請求は退けられるべきだと争った。
裁判所の判断
裁判所は、マスコミへのリークや非常勤講師への妨害行為の多くは認められないが、電話で強い口調で発言し講師を辞退させた行為は問題行動であるとした。しかし、解雇という最も重い処分を下すほどの理由や均衡を欠くため、解雇権の濫用(法律で認められた権利の行き過ぎ)にあたり無効と判断した。また、不誠実な対応や精神的苦痛を与えたとして不法行為(違法な行為)も成立すると認めた。
この事件だけの事情
解雇の無効だけでなく、不法行為による慰謝料請求も一部認められた点や、定年退職の時期や賞与(勤勉手当)・退職金の算定方法が細かく争われた。
結論
原告の請求が一部認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2009-06-18 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成19(ワ)3993 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索