解雇無効確認等請求事件(通称 東芝解雇)
工場の製造ライン立ち上げ業務でうつ病を発症した従業員が、会社からの解雇の無効と、安全配慮義務違反(労働者の心身の健康への配慮義務)による損害賠償などを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告は、過密なスケジュールと長時間労働による業務上のストレスでうつ病を発症した。そのため、業務中の疾病による休業期間中の解雇(解雇権の制限に違反)は無効であり、地位の確認や未払い賃金、さらに会社の安全配慮義務違反に基づく損害賠償の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告の会社は、原告の業務は過重とはいえず、うつ病の発症は業務が原因ではない(業務外の疾病である)と主張した。また、社内でのメンタルヘルス対策や復職支援など十分な配慮を行っており、就業規則に定める休職期間が満了したため解雇は有効であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、原告の時間外労働が非常に多く、新規の装置トラブルや厳しいスケジュールに対応せざるを得なかったことから、うつ病の発症は業務に起因する(仕事が原因)と認め、業務中の傷病期間中の解雇を禁止する法律に反するため解雇は無効と判断した。また、会社の安全配慮義務違反も一部認め、未払い賃金や慰謝料などの支払いを命じた。
この事件だけの事情
未払い賃金の算定において、健康保険組合から支給された傷病手当金などの金額を差し引いて差額を認めた点。
結論
原告の請求が一部認められ、解雇が無効とされた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2008-04-22 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成16(ワ)24332 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索