地位確認等請求事件(通称 日本大学教授定年延長)
大学の教授が定年を迎えた際、これまでの慣行通りに70歳まで定年を延長できるはずなのに拒否されたとして、教授の地位の確認と給与の支払いを求めた事件です。
訴えた側(原告)の事情
原告である教授は、学部ではこれまで特段の問題がなければ70歳まで定年が延長される慣習(事実上の習慣)があり、労働契約の内容になっていたと主張しました。そのため、自身の定年延長拒否は解雇(仕事を辞めさせられること)と同じであり、理由のない権利の濫用(権利の行き過ぎた使い方)として無効であると訴えました。
訴えられた側(被告)の事情
被告である大学側は、定年延長は例外的なものであり、新しく設けた人事委員会(人事に関する審査機関)の厳格な審査の結果、原告は不適格(ふさわしくない)と判断されたため、就業規則(職場のルール)通りに65歳で定年退職となったと主張しました。また、定年延長の慣行自体が存在しないと反論しました。
裁判所の判断
裁判所は、学部において65歳以降も70歳まで定年が延長されることが長年繰り返され、事実上のルールとして定着していたと認めました。新しく作られた人事委員会についても、公正さが十分に保証されておらず、原告の定年延長を認めなかったことは従来の慣行に反し、解雇権の濫用(解雇のルールの乱用)にあたると判断しました。したがって、被告の退職扱いは無効であり、原告は教授の地位にあると結論付けました。
この事件だけの事情
大学における定年延長の慣行の有無や、新設された人事委員会の公正さが争点となった事例です。
結論
原告の言い分が認められ、教授の地位にあることと月額給与の支払いが命じられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-01-13 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成16(ワ)8413 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索