賃金等請求事件(通称 マッキャンエリクソン降級)
成果主義の給与制度を導入して給与等級を7級から6級に下げられ賃金を減額された従業員が、降級は無効だとして地位の確認と差額の賃金の支払いを求めた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告(従業員)は、会社から受けた降級処分は降級の要件を満たしておらず裁量権を逸脱しているため無効であると主張し、給与等級7級の労働契約上の地位があることの確認と、降級前の賃金との差額の支払いを求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告(会社)は、新賃金制度に基づく人事評価により原告の能力や業績が期待に劣ると判断して降級を行ったものであり、裁量権の逸脱はないと主張した。また、地位確認の請求には確認の利益(確認を求める法的利益)がなく、実際の年間総収入では大きな差がないとして原告の請求を争った。
裁判所の判断
裁判所は、従業員を降級させるには期待される能力と比べて著しい低下や減退があることが必要であるとした上で、原告の業務部での勤務は通常の勤務であり、会社が主張する降級理由は認められないと判断した。したがって、降級処分は裁量権の範囲を逸脱し無効であるとした。一方で、差額賃金の計算については、月額の基本給だけでなく年間の総収入額を比較して決めるべきであるとし、一部の請求のみを認めた。
この事件だけの事情
年間の総収入額を基準に差額賃金を算定している点。
結論
原告の請求の一部が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2006-10-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成17(ワ)2672 |
| 分野 | 労働 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索